病理診断科・病理センター

診療・各部門

2023年4月、迅速かつ正確な病理診断に向けて、病理センターが開設されました。病理センターは「病理診断科」に相当し、病理専門医、口腔病理専門医、臨床検査技師(細胞検査士)で構成され、専門領域ごとに日常の病理診断を担当しています。患者さんより穿刺、生検、手術などで採取された材料について、病変の種類、がん細胞の有無、進行度などを病理学的に評価し、主治医に治療方針を決定する上で必要な医学的情報を提供しています。がん医療では、抗体を用いた免疫染色などで、蛋白質の発現パターンや分子異常を調べ、層別化治療のための情報を提供しています。患者さんが速やかに健康を取り戻せるよう、迅速な病理診断に努めるとともに、臨床医と合同カンファレンスを開催して連携を深め、診断精度の向上を図っています。

診療内容

組織診断

診察や検査などで発見された病変より、穿刺や生検で採取された材料(組織や細胞)の標本を作製し、顕微鏡で観察することにより、腫瘍かそれ以外の病変かを鑑別し、腫瘍であれば良悪性の判定を行い、悪性度を評価します。感染症などの質的な診断も行います。内視鏡検査で採取された胃粘膜や大腸粘膜は元より、腎臓や肝臓などの内部臓器、骨髄、リンパ節、口腔粘膜、皮膚なども生検診断の対象になります。腎生検では、光学顕微鏡検査に蛍光抗体法や電子顕微鏡による検討を加えて、腎機能低下の原因・病態を究明します。内視鏡的粘膜切除術や内視鏡的粘膜下層剥離術などの摘出検体では、病変を検証し、取り切れているか評価します。手術材料では、肉眼で病変の部位、大きさ、性状、広がりを確認し、標本を顕微鏡で観察して、病変はどの程度広がっているか、病変は切除されているか、リンパ節に転移はないかなどを評価します。術前治療効果の判定も行います。

細胞診断

口腔粘膜、胆・膵管などの擦過物、乳腺や甲状腺などの穿刺液、腹水や胸水などの体腔液および尿や喀痰などに含まれる細胞の標本を作製し、顕微鏡で観察して悪性腫瘍細胞の有無を判定します。病原微生物の感染についても調べます。豊富な知識と十分な経験を有し認定された細胞検査士と細胞診専門医、細胞診専門歯科医が協力して判定・診断に取り組んでいます。

術中迅速診断

手術中に、切除断端におけるがん細胞の有無、リンパ節転移の有無、腹水や胸水中のがん細胞の有無などを評価し、執刀医に手術方針の決定のための情報を提供します。執刀医と密に連携して取り組んでいます。

病理解剖

不幸にして治療の甲斐なく、入院中にお亡くなりになられた患者さんについては、ご遺族の承諾が得られれば、病理解剖を行います。亡くなられた原因(死因)や生前にわからなかった経過などを究明します。

2024年度 病理組織・細胞診断 実績

組織診断術中迅速組織診断細胞診断術中迅速細胞診断
186541105114
(件)

組織診断 診療科別内訳

内科
(内視鏡)
外科形成外科口腔外科皮膚科耳鼻咽喉科整形外科眼科合計
957(876)187275258611032041865
(件)

担当医

辻村 亨

センター長

資格

  • 日本専門医機構 / 日本病理学会 病理専門医
  • 日本病理学会 病理専門医研修指導医
  • 日本病理学会 分子病理専門医
  • 日本臨床細胞学会 細胞診専門医
  • 日本臨床細胞学会 細胞診指導医
  • 日本臨床細胞学会 教育研修指導医
  • 死体解剖資格認定

結城 美智子

歯科医師

資格

  • 日本病理学会 口腔病理専門医
  • 日本病理学会 口腔病理専門医研修指導医
  • 日本病理学会 分子病理専門医
  • 日本臨床細胞学会 細胞診専門歯科医
  • 死体解剖資格認定

松井 菜奈

臨床検査技師

資格

  • 日本臨床細胞学会 細胞検査士
  • 日本臨床検査医学会 / 日本臨床検査同学院 二級臨床検査士(病理)
  • 日本臨床検査医学会 / 日本臨床検査同学院 緊急臨床検査士
  • 有機溶剤作業主任者技能講習修了
  • 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習修了

長野 遥果

臨床検査技師

資格

  • 日本臨床細胞学会 細胞検査士
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡技師
  • 医療安全管理者養成研修修了
  • 有機溶剤作業主任者技能講習修了

山下 歩華

臨床検査技師