薬剤部

診療・各部門

ご挨拶

薬剤部では当院の基本理念「やさしさと安心の医療で人々につくします」のもと患者サービスの向上と安心安全な医療の提供に寄与するための業務を推進しております。
調剤業務をはじめとする中央業務では、ロボット化を進め効率性と安全性を高めております。また、様々な医薬品情報ツールを用いて患者禁忌や相互作用をチェックし、その情報など迅速に医療スタッフへ共有出来るようにしております。
薬剤師の活動は、病棟、外来、がん化学療法室及び手術室と多岐に渡ります。入院受付時の持参薬鑑別、中止薬の確認・再開、入院中の薬剤管理指導等の薬学的管理、チーム医療(NST、ICT、褥瘡、緩和、がん、糖尿病)、かかりつけ薬局・薬剤師への診療・薬剤情報の提供等を行っております。
令和2年には、港区薬剤師会と「疑義照会事前プロトコール」を合意し、地域での医療スタッフの協働・連携によるチーム医療を構築しています。
入院時にはお薬手帳を情報共有ツールとしてかかりつけ薬剤師と情報交換し、院外の疑義照会等では薬剤部が窓口となり医師への照会や連携を行っております。
退院時にはお薬手帳や退院時薬剤情報管理指導連携情報提供書等、地域でシームレスな薬物療法の提供を行っています。
これら業務を担う薬剤師は、感染制御認定薬剤師、医療薬学専門薬剤師、認定実務実習指導薬剤師、腎臓病薬物療法認定薬剤師、腎臓病療養指導士、病院薬学認定薬剤師、など多くの専門資格を取得しています。
治療は日進月歩であり、日々のアップデートとスキルの向上を目標として教育に力を注いでいます。

薬剤部長 上野 裕之

薬剤部の構成、資格

薬剤部長 1名、副薬剤部長 1名、主任薬剤師 2名、薬剤師 8名 (2023.11月現在)

資格

日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師2名
日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法認定薬剤師1名
日本腎臓学会 腎臓病療養指導士1名
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師1名
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師5名
認定実務実習指導薬剤師3名

調剤業務

医師がオーダした処方箋・注射処方箋に基づく内服薬・外用薬・注射薬の調剤を薬剤部内で行います。薬剤師は医師の処方通りに薬を準備するだけではなく、処方内容の監査を行うことも重要な業務となります。
当院内の処方箋には年齢、身長、体重、検査値、アレルギー情報や重複処方、併用禁忌なども表記されるため、患者さんにとって飲み方・飲む量が適切であるかどうか、薬の重複、薬と薬の飲み合わせが無いかなどを調剤時に薬剤師が確認しており、必要に応じて医師へ疑義照会しています。

全ての調剤が終了した後で、再度、別の薬剤師が違う視点で処方内容の監査を行い、調剤された薬が処方箋の内容と間違いがないことの最終確認を行った後、病棟に払い出します。

内服、外用薬調剤

調剤支援システムとして、電子カルテと連動する薬袋発行機、自動錠剤分包機、散薬監査システム、散薬分包機などを使用しています。また、当院では自動散薬分包機(Mini Dimero:(株)ユヤマ社製)、返品薬の処理として一包化錠剤仕分け装置(タブソート:(株)ユヤマ社製)も使用しています。これらの機器の使用は調剤精度の向上、業務の効率化につながり、薬剤師業務の支援となっています。

注射薬調剤

医師が入力した注射オーダに基づき注射薬の調剤を行います。注射薬の調剤には注射薬自動払い出しシステム(アンプルピッカー)を使用しています。アンプルピッカーは患者さん毎に注射薬と注射ラベルを1回使用分ずつ個人用トレーにセットします。個人用トレーは病棟別のカートに収納され、監査の後病棟に搬送されます。また、当院のアンプルピッカーには注射返品薬払出機も機能として備えており、返品されたアンプル、バイアルの注射薬を自動で仕分けて再利用することで、業務の効率化を行っています。

在庫管理業務

医薬品管理業務として毎日の発注、納品、検品業務を行うと共に、医薬品の在庫量の適正化を図っています。また、医薬品が安全かつ適正に使用されるために、使用期限のチェック、保管場所の温度・湿度の点検を 行っています。

院内製剤業務

臨床の場では、市販品の入手困難な薬品、必要な剤型が製造されていない薬品を必要とすることがあります。このような場合、薬剤師が医師からの依頼により、院内限定の特別な薬品を作ることがあります。このような薬品を院内製剤と呼びます。
院内製剤の調製に際しては、その製剤の安全性・有効性が確認されていること、製剤としての安定性が担保されていることが必要であり、文献等の資料からそれらの情報収集を行っています。
また、調製に用いる機器類(クリーンベンチ、オートクレーブなど)のメンテナンス、調製作業マニュアルの整備なども行い、院内製剤の正確性・安全性の確保に努めています。

抗がん剤調整業務

外来・入院を問わず、患者の化学療法個人計画表(レジメン)に基づき、調剤・監査された薬剤を薬剤部内の安全キャビネットで混合調製後、監査を行い、外来化学療法室や各病棟に搬送しています。当院では、抗がん剤調製支援システム(Chemo ROADⅡ:(株)ユヤマ社製)を導入しており、経験差に依存せず統一した標準的手順による「安全・安心」の抗がん薬調製業務を行っています。

高カロリー輸液調整業務

病気によって食事を摂れない患者さんや、食事だけでは栄養摂取が不十分な患者さんには、通常の点滴ではなく中心静脈という太い血管から栄養補給の点滴を行うことがあります。このような点滴を高カロリー輸液と呼びます。高カロリー輸液は栄養分に富み1回の投与時間が長時間に及ぶため、細菌が繁殖し易くなります。そこで、高カロリー輸液が細菌に汚染されないよう、薬剤師が「クリーンベンチ」という機器を用い無菌環境下で点滴の混合を行っています。

医薬品情報管理業務

医薬品情報管理業務として、様々なメディアを通じて発信される医薬品情報を収集し管理するとともに、それらの情報を評価、加工して適切な形で院内の医療者に発信、提供を行っています。重要な情報については院内メールなどを駆使して迅速な周知をはかり、重大な副作用が院内で発生した場合には厚生労働省に報告します。
また、新薬のヒアリング、採用医薬品を決める薬事委員会の資料作成、医薬品マスタのメンテナンスなども重要な業務です。

病棟業務

当院では各病棟に専任の薬剤師を配置しています。入院される患者さんと面談し、持参薬の確認、服薬状況、副作用歴、アレルギー歴などの確認を行い、薬に関する患者背景の把握に努めます。その上で、薬による治療の理解が深まるよう、薬を飲むことの必要性や薬の飲み方の説明を行います。
入院される患者さんは当日病棟へあがる前に薬剤師が3階の問診ブース(緊急入院の患者さんは救急外来または各診療科)で面談を行っています。さらに医師や看護師などとも情報を共有し、病棟における医薬品の適正使用推進を行っています。

チーム医療

チーム医療とは、医師、看護師、薬剤師、栄養士などの専門職がそれぞれの専門知識を生かし、協力して患者さんの治療にあたることです。当院では主に、感染対策チーム、栄養サポートチーム、褥瘡対策チーム、緩和ケアチームなどに参画しており、糖尿病教室などにも積極的に関与しています。

業績、臨床研究

保険薬局の方へ

診療・調剤に関する疑義照会は、疑義照会用紙(書式自由)と該当処方せんをFAXにて下記番号へお送りください。トレーシングレポートも下記番号へお送りください。
FAX:06-6572-5725(薬剤部) 対応時間 平日9:00~19:00
※ただし、17:15~19:00は診療時間外のため当日対応が困難となることがあります。

保険(保険番号、公費負担など)については、下記番号へお問い合わせください。
TEL:06-6572-5721(医事課) 対応時間 平日9:00~17:15

当院採用医薬品リスト

企業の方へ

薬学生の方へ

当院では定期的に各大学薬学部からの実務実習を受け入れています。実習前に期間中のスケジュールを作成し、学生専用のデスクやPCも用意して、効果的に学習ができる環境も整えています。調剤の実習もありますが、基本的には病棟で実際の患者さんと面談が行えるような内容を中心にしています。実習の最後には、大学教員の先生や薬剤部員の前で症例発表をしてもらっています。

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