外 科
治療方針
根治性のある大腸癌に対し、積極的に切除術を施行しています。また病理結果に基づいて積極的に補助療法を施行しています。手術では神経を温存し、機能障害を起こさない工夫と、永久的な人工肛門をさける工夫を行っています。術後の補助療法では化学療法に力を入れています。
大腸の良性疾患と早期癌に対して、腹腔鏡下大腸切除術を導入しています。進行癌に対する腹腔鏡下大腸切除術は現状では臨床試験と位置づけています。なお、腹腔鏡手術における傷が小さい、離床が早い、飲水・食事の開始が早い、退院が早いという利点は、より安全な開腹手術に取り入れています。
根治性のない進行癌や再発癌に対しては、より快適な状態で長生きしていただけるよう、積極的に姑息手術や化学療法を施行しています。化学療法ではエビデンス(証明された成績)に基づいて、5-FU/ロイコボリン、TS-1、塩酸イリノテカン、オキザリプラチンなどを用いた最新の治療を施行しています。同時に当施設はエビデンスを作る過程(多施設共同臨床試験)にも積極的に参加しており、複数の抗癌剤を組み合わせてより効果を期待した治療を受けていただくこともできます。一方、早期からモルヒネを導入し、緩和医療の充実にも努めています。
当院で加療された患者さんは、時間外でも診察し、いつでも入院できるよう努めています。ターミナルケアをできるだけ自宅で受けることもできます。
大腸癌の5-10%は遺伝性があるといわれています。遺伝の可能性のある患者さんには必要なカウンセリングを行い、遺伝子診断を行うことも可能です。