令和3年度を迎えて

令和3年度を迎えて

 

JCHO大阪みなと中央病院長 細川 亙

細川 亙院長

令和3年度が始まりました。大阪では年度当初からCovid19の再拡大の兆候があり、「東京でも油断をするとすぐに大阪のようになる」などという比喩に使われるような状況になっています。大阪における第4波の高さは当院発祥の地大阪港の天保山程度の高さでは済まなさそうです。

当院の入院患者さん(およそ220名/日)の平均年齢がほぼ80才であるということは、当院は病気を持った高齢者が密に入院している施設です。そのような施設ではCovid19患者への医療提供を行うべきでないという当院首脳部の判断で、当院ではCovid19が流行りだした当初の昨年初めから従来医療に専念した医療を提供する形で医療崩壊の防止に努めてきました。そしてCovid19患者用病床を作れという行政からの圧力にも抗戦してきました。行政はCovid19用病床をたくさん準備さえすればそれでよしとする安易なマスコミや世論の声に押され、感染症学的には決してやってはいけない手法(施設の状況なども考慮せずに各病院にコロナ病床を2床ずつ割り当てるような感染症バラマキ作戦)でコロナ病床を増やそうとしていたときもありましたが、さてこの第4波ではどのような対策をするのか注目です。

当院は従来医療に特化しておりますが、それだけではなく、ポストコロナ(Covid19感染後、他人に感染させるおそれがなくなった)患者をコロナ対応病院から受け入れています。さらに、当院を受診してCovid19であると診断した患者が、コロナ対応施設に入院できるまでの間、当院で預かるということも行っています。そしてもちろん、たくさんの通院患者のなかに含まれる新型コロナウィルス保持者からの感染などの恐れも常にあるわけで、院内感染リスクをゼロにすることはできません。しかし、高齢者が多い当院としては極力院内感染リスクを抑えながら、最大限に従来医療の提供を続けていくという方針を今年度も続けたいと思っております。

話は変わりますが、4月15日(木)に永田町の衆議院議員会館で国会議員や厚生労働省などの官僚、医療関係者を対象とした講演を私が行います。「日本の医療の未来を考える会(尾尻佳津典代表)」からの依頼です。演題名は「日本の美容医療の現状と取り組むべき課題」としました。当院の美容医療センター長も兼ね、また日本美容外科学会の理事職も務めさせて頂いている身として、日本の美容医療をより良いものにしていくためのきっかけになる講演にできればと思っています。

令和三年四月

JCHO大阪みなと中央病院長 細川 亙