刺青植皮・削皮
刺青・タトゥー植皮術とは?
植皮術は皮膚欠損部に、自分の皮膚を比較的余裕のある部位や下着や服で隠れて目立たない部位から採取した皮膚を移植する手術です。広範囲の刺青を1回で除去することが可能なため、3ヶ月以内に確実に刺青自体を除去したい方、傷跡は仕方がないという方に適した術式です。最近は、広範囲のカラフルな刺青・タトゥーでもピコウェイなどのピコ発振レーザーによる治療でかなりスピーディーに取り去ることが可能になってきたため、植皮術を選択される方は減少傾向ですが、やはり、確実に早期に刺青を取ることを求められている場合には植皮を選択せざるを得ない場合がいまだにあります。
移植する皮膚の厚さで、分層植皮と全層植皮に分かれます。
分層植皮
生着しやすい反面、術後拘縮をきたしやすい、瘢痕が目立つ。
採皮部位は縫縮しないので広範囲も可能
全層植皮
やや生着しにくい反面、手術跡が目立ちにくい。
採皮部位は縫縮必要なので植皮できる面積は限定される。
概要
- 麻酔:局所麻酔で可能。広範囲の場合、全身麻酔
- 所要時間:60〜120分程度
- 洗顔・シャワー : 当日から可能だが、創部保護は必要
- 創部固定:約1週間
- 費用35〜55万円(税抜き、範囲による)
副作用・ダウンタイム
- 内出血、腫れ、感染、疼痛、血腫
- 傷、瘢痕、ケロイド、知覚鈍麻
- 植皮生着不全
- 採皮部瘢痕
刺青・タトゥー削皮術(皮膚剥削術)とは?
刺青・タトゥー削皮(皮膚剥削術)とは皮膚の真皮内にある刺青色素を削り取る治療法で、削った部分は擦り傷として創傷治癒させます。全ての色素を削皮で取ることも可能ですが、出血も多く、削皮部の創傷治癒に時間がかかるだけでなく、肥厚性瘢痕やケロイドの原因とため、真皮中層までに留めて、残った色素はマクロファージによる貪食を期待するか、色素が薄くなった状態の刺青部分に後日レーザーを当てることが効果的です。削皮後は色素までの距離が短くなるため、以前にレーザーが効かなかった部分でも十分な効果が出るようになりますので刺青除去術(皮膚剥削術)では術後レーザー照射とセットで削皮による考えておくことが重要です。
当センターでは広範囲の刺青除去を希望される場合、ピコウェイによる刺青除去を第一選択として照射し、その反応を見ながら、早期に刺青除去を完了しないといけない方に対して刺青・タトゥー削皮(皮膚剥削術)を行ない、残存して浅くなった刺青色素に対してレーザー治療を追加するようにしております。
刺青・タトゥー削皮(皮膚剥削術)はこんな方に適応
- 広範囲の刺青除去を希望される方で、早期に除去を完了したい方
- ある程度の傷は気にしない方
- (*深く削皮する方、稀)一回で刺青除去したいが、採皮部分に新たな傷ができる植皮術は嫌で、刺青部分は肥厚性瘢痕やケロイドになっても構わない。レーザーも嫌。
概要
- 麻酔:局所麻酔で可能。広範囲の場合、全身麻酔
- 所要時間:60〜120分程度
- 洗顔・シャワー : 当日から可能だが、創部保護は必要
- 創部保護:約1〜2週間
- 費用35〜55万円(税抜き、範囲による)
副作用・ダウンタイム
- 内出血、腫れ、感染、疼痛、血腫
- 傷、瘢痕、ケロイド、知覚鈍麻
- 深い場合、皮膚壊死の可能性など重篤な合併症が起こる可能性がありますが、細心の注意を払い、起こらないように努めております。