消化器内科
担当医
ピロリ菌除菌
Helicobacter pylori (ピロリ菌)は日本人の半分に感染しているといわれる胃に棲む細菌ですが、胃がんや消化性潰瘍の原因として、除菌退治すべきものです。胃などに疾患のある方が保険適応での治療対象となりますので、胃カメラを受けていただくことが必要です。そのうえで、採血、迅速ウレアーゼテストという胃カメラ中に行う検査、尿素呼気試験という吐く息を採取する検査、糞便検査などで存在を確認し、除菌します。除菌は内服薬を1週間服用するだけです。成功率は8割以上ありますが、失敗する場合もありますので、除菌が成功したかどうかの検査まで、フォローさせていただきます。
2回のピロリ菌除菌に失敗した方へ
3回目、4回目などのピロリ菌除菌を自費でおこなっています。費用は¥11,000 ~¥17000(税別)です。保険では2回しか認められていない除菌療法ですが、胃癌や潰瘍発生が気になるもの。できるだけ除菌を成功させたほうが良いので、是非とも当院で治療を受けられてください。
消化管疾患
消化器内視鏡センターが中心となって診断治療をしています。
食道、胃、大腸癌は内視鏡的切除(内視鏡的粘膜切除術:EMR、内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)や、抗がん剤治療を多くの方におこなっております。消化管狭窄や腸閉塞の方には、チューブや金属ステントを挿入して改善を図ります。
本年より拡大NBI観察、炭酸ガス送気が可能となった新しい内視鏡システム、カプセル内視鏡、超音波内視鏡(EUS)検査および超音波内視鏡下の生検(EUS-FNA)が可能となっております。消化管の癌に限らず、胆道癌、膵癌などのより確実な早期診断が可能となりました。従来のダブルバルーン小腸内視鏡、経鼻、鎮静下の胃カメラ、鎮静下の大腸内視鏡、胆膵関連内視鏡は、より充実させておこなっております。経口摂取困難な患者さんには、内視鏡的胃ろう造設術(PEG)を施行しています。ダブルバルーン内視鏡を使用した胆膵系の診断治療症例も増加してきています。
食道、胃、大腸癌
進行した状態で見つかった場合は、狭窄、閉塞があればステントという金属を埋め込んで、食事摂取を可能とした上で、抗癌剤治療を行っています。
慢性肝疾患
B型、C型肝炎
B型、C型肝炎の診療は公費助成を利用して導入していただけますので、ご相談ください。特にC型肝炎については、2014年以降、劇的に治療が進歩いたしました。以前は治療が困難であった慢性肝炎より進んだ肝硬変に対しても、副作用は少なく90%以上と効果が非常に高い内服薬の治療が登場してきています。本来は非常に高額なお薬ですが、公費助成により、收入に応じて1か月あたり1万円から2万円で、3ヶ月から6ヶ月の治療を受けていただけますので、ご相談ください。原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎
公費助成の対象で、治療を受けていただけます。肝硬変、肝不全
慢性肝疾患が進行すると肝硬変、肝不全を発症します。腹水やむくみが出てきて生活に支障をきたすようになってくることが多く、当院でも多くの患者さんが治療を受けておられます。肝腫瘍、肝臓癌
慢性の肝疾患を有している方は、肝臓癌の発生率が高く、定期検査が重要となります。特に肝硬変の方は、腹部エコー検査などの画像検査を3ヶ月に1回おこなう事が推奨されています。肝臓癌が疑われるときは、CT、MRI、造影腹部エコーで精査を行います。必要であれば、腫瘍生検を行います。肝臓癌と診断されれば、ラジオ波焼灼術などの局所療法、内服薬治療、放射線科と協調してカテーテル治療、当院外科での手術などの治療を行っています。胆膵疾患
胆・膵疾患
当院では、閉塞性黄疸などに可能な限り早急に内視鏡的ドレナージなどを行う症例が増えております。また、前述のEUS-FNAにより、より確実な診断を行っています。術後消化管に対しては、ダブルバルーン内視鏡を使用して、同様の処置をおこなっております。胆道癌、膵癌
抗癌剤治療や閉塞を解除するために金属ステントを留置したりしています。抗癌剤治療は、まだまだ有効性は納得のいくレベルではありませんが、吐き気や脱毛などで苦しむイメージの治療は、遠い昔のこととなっています。外来化学療法室も完備しており、多くの方に抗癌剤治療を受けていただいております。急性、慢性膵炎
ともにかなりの腹痛を伴う病気です。アルコール摂取量の多い方で強い上腹部痛を認めることが多いものです。夜間に発症することも多く、その時は当院救急外来を受診されてください。内視鏡検査症例数
検査術式 | 件 |
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上部内視鏡 | 3931 |
下部内視鏡* | 1209 |
肝胆膵内視鏡 | 64 |
小腸内視鏡 | 9 |
カプセル内視鏡 | 11 |
5224 |